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コラム第6回「共感の大切さ」         コラム一覧に戻る

これはまだ私が20代中盤で、カウンセラーとしてかけだしだった頃のクライエントさんの話しです。

クライエントさんも、20代女性

「カフェで携帯で話しをしてたんです。そしたら後ろのおじさんに「ここは携帯禁止って張り紙されてるだろううが!」と注意されて。そのキツイ言い方にカチンときて言い返したら言い合いになってしまって。」
「そしたら、店のスタッフが来たんですけど、なんだか店中みんなが私を責める雰囲気になって。」
「はい、確かに私も悪かったです。けど、なんだか学生時代に集団でいじめにあっていたことを思い出してしまって、どうしようもない気持ちになって しまって。」
「今も腹が立って、腹が立って、どうにもならないんです。あのお店なんて二度といかないし、本気で店に火をつけにいってやりたい気分なんです。」

さて、どのように対応しますか? 慰める、「わかる、わかる。」と共感する?
中には、やんわりとたしなめる方もいらっしゃるでしょう。もう少し落ち着いた後なら、その対応も悪くないかもしれません。

さて、ではこの時の私が、どう対応したかといいますと・・・
内心、諭したい気持ちもかなりありましたが、彼女の気持ちもよくわかった私としては、一緒に放火の計画を練ってあげることにしました。
そして、あれやこれやと、一緒に放火の計画を練ってあげること、数十分。 彼女も多少は落ち着いたようですが、電話を切った時も、まだまだ怒りでいっぱい。
私としても、平静をよそおいながらも「さてさてどうなることやら。」とさすがに内心ドキドキしておりました。
そして3日後。彼女から電話がかかってきました。
「放火の件、どうなった?」
それに対する彼女の返答。
「はい?あー・・・あのことならもうどうでもいいです。(すっかり忘れていた模様)それより、先生聞いてください!!私、最近体重3キロも増えてしまっ て!!」
放火の計画を練った時点で、彼女としては、もう気がすんだんだろうなと思われます。

共感のこれに近い例としてもう一つ例をあげてみます。
これは私の先輩カウンセラーに聞いた話です。

とある老人ホームで「この食事には毒が入ってる!」と言って聞かず、入所以来1週間、自分の持ってきた軽食以外、どう諭そうと一切食事に手をつけようとしないおばあちゃんがいたそうです。

このおばあちゃんに対して、そこのスタッフさんがどう対応したか?
「この食事は毒が入ってるもんね。」とおばあちゃんの話しを全面的に信じて受け入れたそうです。
そうすること3日。
なんと!あれほど頑なだったおばあちゃんが普通に食事に手をつけ始めたのです。
スタッフさんが、「おばあちゃん!!何食べてるの!それ毒が入ってるんで しょ!」と声をかけたところのおばあちゃんの返答。
「はあ?あんた頭おかしいの?ごはんに毒なんて入ってるわけないでしょ。」

おそらくこのおばあちゃんは、新しい環境で不安で仕方なかったのでしょう。
「食事に毒が入ってる!」というのは、その不安の極端な形での表れだったのだと思われます。
そこのスタッフさんは、おばあちゃんのその不安な気持ちに、そのままの形で共感したことで、おばあちゃんの不安がとれたんでしょう。
施設全体として、そこまで付き合えるその施設のスタッフさん達も、すごいなあと思いました。

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