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コラム第18回 自立とは?

”自立”という単語を耳にした時、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか? 国語辞典によりますと、

自立・・・他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。「精神的に―する」

自分1人でなんでも出来るようになるというのが、多くの方の自立のイメー ジかと思います。
しかし、私はそれには少し疑問をおぼえます。
例えば、真に一流の社長は、仕事を任せていくのが非常にうまく、自分の弱点も認め、部下の言葉にも耳をかし、自分の力や自分の社で出来ないところはどんど ん外注していくそうです。
一方で、他人を信用せず、部下の言葉にも耳をかさず、なんでも1人で自分の思い通りにやり、威張り散らしているワンマンタイプの社長もいます。
どちらが本当の意味で自立している言えるでしょうか?

私は、本当の意味の自立とは、必要なときに、適切に依存できることではないかと思います。
以下、カウンセリングの現場でよくあるいくつかの例を元にさらに解説したいと 思います。

カウンセリングを受けられる方の中には、自分がカウンセリングを受けることに 関して、どこか後ろぐらい気持ちを持ってらっしゃる方も少なくありま せん。
そのような方に私は、「こういうふうに適切に助けを借りるのはむしろ賢いやり方なのではないでしょうか?」といいます。
多くの相談者は、それを聞くと、ホッとしたお気持ちになられるようです。 また相談者の中には、精神疾患で経済的自立が出来ず、「早く働かないと!!早く自立しないと!!」と躍起になってしまい、かえって病状を悪化させてしまう 方もおられます。 焦る気持ちももちろんお察ししますが、「今は病気に向き合うのが仕事。」と現状を受け入れ、両親にでも国にでも頼れるものならどんどん頼っていいかと思い ます。「急がばまわれ。」で、結果としてその方が病気がなおるのも早いです。(もっとも、それは人によっては普通に頑張り続けるよりよっぽど勇気の必要なことかもしれませんが)

また、薬をのむのを嫌がる方も多いですが、その理由の一つとして、「薬の助けを借りないといけないなんて、自立できてないように感じる、自分がダメな人間に思える。」と感じてしまうようです。
薬に関してはそれぞれ事情が異なりますので一概には言えないのですが、例 えば、目が悪い人がメガネをかけるように、自分の状態にあった(メガネで例えるなら自分の度に合った)薬を服用することも、適切な依存といえるのではないでしょうか?

私の尊敬する臨床心理士の故河井隼雄先生の著書に「過保護なくして自立なし」 というタイトルの書籍があります。
まだ歩きたての赤ちゃんなんかを見ているとよくわかるのですが、1歳半頃の赤 ちゃんは一人であちこち歩き回って、しばらくすると必ず母親のところに戻って きます。
ちょっとママから離れてみては「ママ、見てる?」と振り返り、冒険にチャレン ジしては「ちょっと怖い」とママのところに戻ってくる時期なのです。 ママに守られている心の安定感をベースに、赤ちゃんはまた一歩、外の世界へと 歩き出すのです。
以前のコラムで紹介したbeingの土台がしっかりしてはじめてスムーズに自立できるようになるわけです。
子供の頃、甘えさせてもらえなかった方の場合でも、大人になってからでも全然間に合うと思います。 こういう方の場合、自分自身に対して、それこそ過保護に接するくらいでちょうどいいのではないでしょうか?
それは自己中なのではなく、むしろそれが周りの人達のためにもなると私は思います。

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